1.新基準 トップランナー方式
1998年の省エネ法改正に基づき、高圧受電設備には新しい基準設備が推奨されています。
日本国内においてもトップランナー変圧器の累計出荷は,53.5万台, 総容量116GVA,平均容量217kVAとなっており、この出荷実績による環境に対するエネルギー消費量の削減効果は,1800百万kWh/年,CO2削減効果は100万t/年に及んでいます。(JEMA一般社団法人 日本電機工業会より)
1ー2.トップランナー方式とは?
既存の製品で最も省エネ性が高い製品(トップランナー)の性能を基準とする省エネ基準値の策定方式のことをいいます。
新基準に基づいた新しい高圧設備は 大きな省エネ効果 と 電気料金の削減 が見込まれます。
また耐震構造や材料改善されており、より安全に、経済的にご使用できる環境となります。
2.削減効果
2ー1.エネルギー消費効率の向上
高圧受電設備に使用されている電気機器、特に変圧器においては負荷損、無負荷損といった「使っても使わなくても消費する」エネルギーがあります。
主に熱として放熱するのですが、新基準ではこういった無駄なエネルギー損失低減が大きく改善されています。
[3φ 50Hz 500kVA負荷率40%の場合]
単位 (W)
年間 約157千円削減
(単位電気料金15円、24時間365日稼働として試算)
上記の図表の通り新基準だから損失が0という訳でもありませんが、旧基準の設備では常に「電気ヒーターを入れている」様な無駄なエネルギーが消費されています。
3.設備更新
3ー1.老朽化
電気品の一部は機器内部の状態が確認できず、突然故障・事故を招いたということが数多く見受けられます。絶縁低下から欠相や短絡が起こり焼損した事例や、機械的機構をもつ部品(バネや接点)の劣化が原因となる事例もあります。
中には主回路の直接的な故障では無く、遠隔制御しているリレーのチャタリングによって故障を引き起こした事例もあります。
3ー2.機械寿命
電気機器には寿命が存在します。
設置環境や使用頻度にもよりますが、経年以上にお使いになられている機器、設備においては設備保全の点から更新を推奨いたします。
製品名 | 仕様 | 物理的安定使用期間 | 要因 |
---|---|---|---|
変圧器 | 油入形 | 20年 | 電源設備であり、機器の故障は停電に直結する |
モールド形 | |||
SFガス絶縁形 | |||
進相コンデンサ | 高圧 | 15年 | 高調波吸収、力率改善を図る省エネルギー機器である |
低圧 | 10年 | ||
高圧負荷開閉器 | 屋外 | 10年 | |
屋内 | 15年 | ||
低圧遮断機 | 15年または規定回数 | ||
電磁開閉器 | 10年または規定回数 | ||
計器用変成器 | 15年 | 保護用、計測用機器であり信頼性が必要 |
3ー3.更新のメリット
トップランナー方式の変圧器においては次のメリットが挙げられています。
- ①鉄心・巻線・放熱器などの材料、設計、製造技術の進歩により小形・軽量・低損失化が図られている
- ②運転費としての電気料金が低減できる
- ③省エネ対策の一環となり、地球環境対策に貢献できる
- ④更新により機器の品質が回復し、設備の信頼度が向上する
- ⑤置き換えの互換性が確保できる
- ⑥運転騒音が低くなる
3ー4.耐熱構造
キュービクルに収納する機器の配置構造も年々進化しています。
お使いの機器構造によっては、電線の余長さや固定された設計であると、地震による断線もありえます。近年の設備構造は(製作会社の基準による)対応が可能です。
3ー5.イニシャルコスト
設備規模、設置環境、原材料価格変動により費用は変わってきます。
前制度基準の設備であれば電気料金の削減が見込め、設備の延命や環境配備の面からもメリットがあります。
高圧・低圧の引込み工事まで一貫して請け負いますので、一度弊社にご相談ください。
- 高圧受電設備の更新、移設
- 高圧引き込み部の工事
- 低圧制御盤の更新、移設
- 低圧引込み部の工事
- 電気配線、埋設、配管の施工
- 盤内配線の変更
※内容は予告なく変更する場合があります。予めご了承ください
※工事のみの範囲ついてもご相談ください